春から始める工場の暑さ対策

義務化対応と最新冷却グッズを徹底比較【2026年版】

春から始める工場の暑さ対策

義務化対応と最新冷却グッズ

を徹底比較【2026年版】

春から始める工場の暑さ対策|義務化対応と最新冷却グッズを徹底比較【2026年版】

 

製造業・建設業の安全衛生管理に携わる方にとって、夏の暑さ対策は毎年避けて通れないテーマです。

この記事では、工場の暑さ対策の最新情報を網羅的にお届けします。

法改正への対応から設備投資・個人装備の比較、春からの導入スケジュール、活用できる補助金まで、熱中症対策を工場で実践するための具体策をまとめました。

道路工事・ダム工事・プラント工事・建設工事・電柱のうえでの設備工事などに携わる方も参考になる内容です。

夏本番に慌てないために、春から準備を始めましょう。

なぜ工場の熱中症対策は「義務」になったのか

2025年6月1日、改正労働安全衛生規則(安衛則第612条の2)が施行されました。法律改正の背景には、令和6年の職場熱中症による死傷者数が1,257人と過去最多を記録し、死亡災害の原因の多くが「初期症状の放置・対応の遅れ」であったという事実があります。

死亡者数は31人で3年連続30人以上が続いており、全労働災害死亡者の約4%を占める深刻な状況です。

義務化の対象となるのは、WBGT28以上または気温31℃以上の環境で1時間以上または1日4時間超の作業が見込まれる場合です。

事業者に課せられる義務の柱は2つあります。

  • 作業者が熱中症の自覚症状や他者の異変を発見した場合に報告する体制を整備し、周知すること

  • 作業からの離脱・身体冷却・医療機関搬送などの悪化防止手順をあらかじめ作成し、周知すること

違反した場合は安衛法22条に基づき6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

引用:厚生労働省「令和6年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を公表します

引用:厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について

【設備編】工場全体の暑さを下げる最新対策

工場の熱中症対策や暑さ対策は、建物・設備への投資と個人装備の両輪で進める必要があります。まずは設備面の3つの対策について、最新の知見とともに見ていきましょう。

遮熱塗装・断熱フィルムによる屋根・壁面の輻射熱カット

工場が暑くなる最大の原因は、屋根からの輻射熱(物体から放射される熱エネルギー)です。太陽光で加熱された屋根が室内へ輻射熱を放射し、空気中の水蒸気やCO2、人体、設備を温めます。

熱移動の3原則のうち、輻射が全体の75%を占めるため、屋根・壁面の遮熱対策は工場の暑さ対策の基本的なアプローチといえます。

対策としては遮熱塗料と遮熱シートが代表的です。遮熱塗料は、屋根表面温度を最大15〜20℃低下させ、室内温度を約1〜3℃下げる効果があります。遮熱シートはアルミ箔の反射特性を利用し、輻射熱を97%カットできるうえ、結露防止にも有効です。

一般に室内温度が1℃下がると約10%の空調費削減につながるため、コスト面でもメリットが大きい対策です。

工場の暑さ対策の基本から実践方法まで、以下の記事でも詳しくご紹介しています。

>>工場が暑すぎる!作業効率を下げない対策方法をご紹介

スポットクーラーや大型冷風機の配置

スポットクーラー(コンプレッサー式)は、室内の暖気を本体内部で冷媒を使って冷却し、冷えた空気を室内に戻す仕組みの局所冷却装置です。キャスター付きで移動が容易な機種では、熱源の近くや作業者の位置に合わせて柔軟に配置できます。

工場の熱中症対策や暑さ対策として導入しやすい一方、以下の点はデメリットとして把握しておく必要があります。

  • 冷却範囲が風の届く範囲に限定される

  • 排熱処理が必要

  • 作動音が大きい

  • ドレン水が発生する

もう一つの選択肢が気化式冷風機です。外気を取り込み、水を含んだフィルターを通過させることで気化熱を利用して冷却する仕組みです。排熱がなく、周囲温度より5〜9℃低い冷風を送れます。

WBGT自動測定×IoTアラートによるリアルタイム管理

WBGT(暑さ指数)は、1954年にアメリカで提案された熱ストレスの評価指標で、以下の3要素を統合して算出されます。

  • 湿度

  • 日射・輻射などの周辺熱環境

  • 気温

環境省の統計によると、WBGT28(厳重警戒)を超えると熱中症患者の発生率が著しく増加します。改正労働安全衛生規則 がWBGT28以上を義務化の基準値としたのは、科学的根拠に基づくものです。

WBGT31以上は「危険」レベルで、原則として重労働の作業中止が推奨されます。作業中止の判断基準とするためにもWBGTの常時測定が欠かせません。

引用:環境省「暑さ指数(WBGT)について

【個人装備編】工場作業員が身に着ける最新冷却グッズ比較

設備投資だけで全ての作業員をケアしきれないため、作業員が個人で装着する冷却グッズの併用が不可欠です。自社の工場や工事現場の作業環境に合った暑さ対策グッズを選ぶことが重要です。

現在市場に出回る冷却服は、冷却原理の違いによって大きく4タイプに分かれます。

ファン付き作業着

ファン付き作業着は、小型ファンで外気を取り込み、服の内部を風が通り抜ける過程で汗の気化熱を利用して身体を冷やす仕組みです。バッテリーを充電するだけで使える手軽さが最大のメリットといえます。

一方で、ファン付きウェアは直接身体を冷やすわけではないため、冷却力は他タイプに比べて控えめです。外気温35℃を超える環境ではぬるい風が循環するだけになりやすく、ファン音や服の膨らみが気になるケースもあります。

粉塵や火花が発生する現場では使用できない制約もあるため、適用WBGT帯は25〜30程度の比較的軽度な暑熱環境に向きます。

保冷剤装着タイプ

保冷剤装着タイプは、メッシュ素材のベストにポケットが設けられており、保冷剤を入れて装着する冷却ベストです。脇の下や背中に保冷剤が当たる設計で、体表近くの太い静脈がある箇所を冷やすことで効率的に体温上昇を抑える仕組みとなっています。

メリットは、電源不要で価格が数千円〜と比較的安価な点です。ファンのような作動音がなく、静かな環境でも問題なく使用できます。

デメリットは、保冷剤が溶けると冷却効果がなくなるため、冷却可能時間は持続時間が長いタイプでも3〜4時間が目安となる点です。交換用の保冷剤を冷凍庫で準備しておく手間も発生し、冷却範囲は保冷剤の配置箇所に限定されます。

短時間の集中作業や、他タイプの冷却服との併用に適したグッズです。

ペルチェプレート式(プレート直接接触型)

ペルチェ素子(電圧をかけると片面が冷却され、もう片面が発熱する半導体素子)を利用した冷却ベストは、冷えた面の金属プレートを身体に直接当てて冷やす仕組みが一般的です。

N型・P型半導体の中を電子と正孔が熱エネルギーを運ぶことで温度差が生じる「ペルチェ効果」を応用しており、電流の向きを変えると冷却面と加熱面が入れ替わる性質を持ちます。

メリットは、氷や水が不要でスイッチひとつで即座に冷却を開始できる即効性と静音性です。外気温や湿度に左右されにくい点も、工場の暑さ対策グッズとして頼りになるポイントといえます。

デメリットは、ペルチェデバイスが当たる部分しか冷えないため冷却範囲が限定的になる点です。

ピンポイントの冷却で十分な作業シーンに向きますが、広範囲を冷やしたい場合は次に紹介するペルチェ式+冷水循環タイプが有効です。

ペルチェ式+冷水循環タイプ

ペルチェ素子で冷やした水をベスト内部に張り巡らされたパッドに循環させ、背中から脇の下まで広範囲に冷却するのが、ペルチェ式冷水循環タイプの冷却服です。

ペルチェプレート直接接触型の「冷却範囲が狭い」というデメリットと、保冷剤タイプの「持続時間が短い」というデメリットを同時に克服できるハイブリッド方式であり、長時間かつ広範囲の冷却を必要とする酷暑環境に適しています。

私たち日本シグマックスの「メディエイド アイシングギア ベスト2」は、ペルチェ式冷水循環タイプの冷却服です。当社独自の特許取得済のアイシング技術(熱交換装置およびウェア 第7576853号)を採用し、気温35℃以上の酷暑環境でも冷感が得られる冷却性能を実現しています。

フル充電で約5時間の冷却持続、タンクレス構造による作業性・可動性の確保、冷却ユニットとインナーのセパレート構造で多様なユニフォームへの対応が可能です。一定間隔で冷却に強弱をつけ「慣れ」を防ぐ独自の温度調節機能も搭載しており、1997年からアイシングシステムを医療現場に提供してきた知見が活かされています。

価格は159,500円(税込)ですが、エイジフレンドリー補助金などを活用すれば実質負担の軽減が期待できます。

冷却ベストの選び方や各タイプの性能比較をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

>>【企業向け】冷却ベストを購入する時の選び方・比較まとめ

春から始める導入スケジュールと暑熱順化

熱中症対策は夏直前に慌てて行うものではありません。暑熱順化(暑さに身体が慣れるプロセス)には個人差があるものの数日〜2週間かかり、一度順化しても暑熱環境から離れると4日で顕著な喪失が始まり、3〜4週間で完全に失われます。

工場の熱中症対策を確実に機能させるには、春から計画的にスケジュールを組むことが大切です。ここでは3〜4月・5月・6月以降の3フェーズに分けて、具体的なアクションプランを示します。

3〜4月:設備選定と暑熱順化プログラムの設計

春先にまず取り組むべきは、前年夏の振り返りと設備選定です。

前年夏のWBGTデータや熱中症の発生件数・ヒヤリハット事例を分析し、対策の改善ポイントを洗い出しましょう。そのうえで、遮熱塗装・スポットクーラー・大型冷風機・WBGT監視システムなどの設備、ファン付きウェアやペルチェ式冷水循環タイプの冷却服など個人装備の選定と見積取得を進めてください。

下記のボタンから「WGT値の記録表」をダウンロードいただけます。ぜひ、ご活用してください。


同時に、暑熱順化プログラムの設計にも着手しておく段階です。対象者の洗い出し(新入社員・配置転換者・長期休暇明けの社員)を行い、7日以上かけて暑熱ばく露時間を段階的に増やすスケジュールを作成します。

加えて、エイジフレンドリー補助金や業務改善助成金など、活用可能な補助金の情報収集と申請準備を始めることも重要です。補助金は交付決定前に発注・契約・購入した設備が補助対象外となるケースがほとんどのため、早めの準備を心がけましょう。

引用:厚生労働省「職場における熱中症の予防について

5月:テスト運用と教育の実施

5月に入ったら、選定した設備・グッズのテスト導入と効果検証を行います。WBGT測定値の導入前後の比較や、作業者への体感アンケートを実施して、本格運用に向けた調整を進めましょう。

並行して、厚労省通達に基づく労働衛生教育を実施します。教育内容は、以下の4項目です。

  • 熱中症の症状

  • 熱中症の予防方法

  • 緊急時の救急処置

  • 熱中症の事例

改正労働安全衛生規則 で義務付けられた報告体制の構築と全作業者への周知、悪化防止手順書の作成と訓練も5月中に完了させておくことが理想です。

暑熱順化トレーニングの開始にも適した時期で、5月のうちにウォーキング(1回30分・週5回)や入浴で汗をかく習慣を身につけることが、工場の熱中症対策の土台づくりに有効です。

引用:厚生労働省「職場における熱中症の予防について

緊急時の対応手順や応急処置の具体的な流れは、以下の記事で詳しく解説しています。

>>【企業向け】 熱中症対応マニュアル 緊急時の手順・応急処置・ 労災対応まで徹底解説

6月以降:本格運用とPDCA

6月以降はWBGTの常時モニタリングを開始し、WBGT28以上では作業時間の短縮・休憩時間の確保・水分塩分補給の徹底など、改正労働安全衛生規則 に沿った措置を実行します。

WBGT31以上では原則として重労働の作業中止を判断する必要があります。作業中の巡視を頻繁に行い、バディ制(作業者同士で互いの健康状態を確認し合う体制)やウェアラブルデバイスの活用で作業者の体調変化を見逃さないことが大切です。

シーズン終了後には、WBGTデータの推移・熱中症発生件数・ヒヤリハット事例を集計し、翌年の対策改善に活かします。設備投資の効果を定量的に評価(WBGT低減値、空調費削減額など)し、次年度の予算計画に反映させることで、年々対策の精度が高まります。

改善を繰り返すPDCAサイクルが定着すれば、労災リスクの低減と生産性向上の好循環が生まれるでしょう。

WBGTモニタリングを活用した熱中症リスクアセスメントの具体的手法については、以下の記事で解説しています。

>>熱中症リスクアセスメントとは?リスクの評価方法やリスクレベルの見積もり方から低減事例まで網羅的に解説

熱中症対策に活用できる補助金・助成金

熱中症対策の義務化に伴い、設備投資を計画する工場・事業所が増えています。初期投資の負担を軽減できる補助金・助成金制度を3つご紹介します。

制度名 対象要件 補助率 上限額 主な対象品目
エイジフレンドリー補助金 中小企業事業者で60歳以上の高年齢労働者を常時1名以上雇用 1/2 100万円 ファン付き作業服、スポットクーラー、WBGT計、冷却ベスト(メディエイド アイシングギア ベスト2など)など
業務改善助成金 中小企業・小規模事業者が事業場内の最低賃金を30円以上引き上げ+設備投資 最大4/5 30万〜600万円 空調設備の導入など
省エネルギー投資促進支援事業(設備単位型) 省エネ性能の高い設備への更新 1/3 1億円 高効率空調・LED照明など

 

補助金・助成金は年度によって内容・公募時期が変わります。暑さ対策に使える補助金・助成金については、最新の公募要項をご確認ください。

各制度の申請フローや注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

>>熱中症対策の補助金・助成金一覧企業向け支援制度ガイド【2025年版】

また、下記のボタンから「エイジフレンドリー補助金の解説資料」をダウンロードいただけます。ぜひ、ご活用してください。

まとめ

工場の暑さ対策の最新情報として、法改正への対応から設備投資・個人装備の比較、導入スケジュール、補助金活用までを解説しました。

2025年6月の改正労働安全衛生規則の施行により、熱中症対策は「努力目標」から「罰則付き義務」へ変わりました。工場の暑さ対策のポイントは3つです。

  • 設備投資(遮熱塗装・スポットクーラー・WBGT監視システム)で工場全体のWBGTを下げること

  • 個人装備(ファン付きウェア・保冷剤タイプ・ペルチェプレート式・ペルチェ式水冷循環タイプ)を作業環境に合わせて選定すること

  • 春からの計画的なスケジュール(3〜4月:選定、5月:テスト運用・教育、6月〜:本格運用とPDCA)で確実に対応すること

エイジフレンドリー補助金や業務改善助成金などの制度を活用すれば、初期投資の負担も軽減できます。この春から工場の暑さ対策を始め、来る夏を安全に乗り越えましょう。

メディエイド アイシングギア ベスト2」は、ペルチェ素子によって冷却された水がベストに内蔵されたパッド内を循環し、人体を快適な温度に保つ水冷式の冷却服です。

当社独自の特許取得済のアイシング技術で、タンクレスながらも広範囲かつ効率的に人体を冷却し、着用した人が快適と感じる温度管理と、作業性・可動性の両立を実現しています。

医療機器やサポーター製品で培った技術を詰め込んだ、日本シグマックスこだわりの製品です。
熱交換装置およびウェア 第7576853号)

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